自宅の救急箱などに1枚はある湿布。
肩こりを感じた時に湿布を使って痛みを和らげていますか?
その際、どんな湿布を使っていますか?
一概に湿布と言っても温める温湿布、冷やす冷湿布とあります。
肩こりにはどちらの湿布の方が効果的か知ってますか?
意外と詳しく知らない湿布の違い、効果、肩こりに効く湿布の選び方を
ご紹介していきます。
せっかく湿布を貼るんだったら効果あるものを選んで、
つらい肩こりを少しでも軽くしましょう。
湿布は肩こりに効くのか?
運動などで足を痛めたときなどに湿布を使ったことがあるかと思いますが、
おそらくその際は冷湿布を使っていませんでしたか?
急激に痛めた場所には冷湿布などを使って患部を冷やすことが効果的な対処法です。
ただ、肩こりとは肩や首まわりの筋肉が緊張状態、凝り固まった状態になり、
血の流れが悪くなってしまい、起きてしまう痛みです。
この肩こりの痛みは急激なものはあまりなく、日に日にジワジワと
血流悪化が起き、少しずつ痛みを感じるものがほとんどかと思います。
このような肩こりには冷湿布はあまり意味がないどころか、
逆に悪化させてしまう可能性もあります。
まず、肩こり解消のために湿布を使う際は温湿布を使うようにしてください。
温湿布はその名の通り、貼った場所を温める効果があるので、
肩に貼れば肩の筋肉を温めてくれます。
筋肉を温めることで凝って固まってしまった筋肉をほぐしてくれ、
血の流れを良くする効果が期待できます。
肩こりに効く湿布の成分とその違い
一昔前はサリチル酸メチルという痛みを鎮めてくれる成分を配合した湿布が主流でした。
その後、インドメタシンという非ステロイド性の鎮痛成分が流行し、
現代ではジクロフェナクやフェルビナクという同じく非ステロイド性の消炎鎮痛剤が
配合された湿布が主流となっています。
まず、一昔前には主流となっていたサリチル酸メチルですが、
現在でもサロンシップなどの商品で使われている成分です。
この成分はもちろん鎮痛成分があり、痛みを和らげる効果がありますが、
痛みを和らげるというよりも痛みを感じにくくする麻酔効果があります。
つまり、肩こりを解消するというよりは肩こりの痛みを感じにくくしてくれる成分です。
適量であれば普通の人は痛みが和らいだと感じられますが、
体質などにもよりますが、人によっては少量でも
全身の疲労感が出たり、蕁麻疹が出てしまうことがあるので、
アトピーや蕁麻疹の出やすいアレルギーなどの症状がある人は少し注意をしてください。
次に、インドメタシンですが、こちらは非ステロイド性炎症薬で、
皮膚から浸透していき、炎症や痛みを抑えてくれます。
炎症を引き起こす物質の生合成を抑制し、肩こりの解消などに役立ちます。
スーっとする清涼感があり、痛みを和らげます。
微量ではありますが、薬の成分は全身に吸収されますので、
解熱剤や鎮痛剤などを使って喘息発作を起こしてしまった経験のある人は使用しないでください。
最後に、現代で主流となっている成分である、ジクロフェナクとフェルビナクですが、
二つは同じような成分で二つとも非ステロイド性の鎮痛成分で、
他の成分と同じように炎症や痛みを抑えてくれます。
この成分も体内に浸透していくもので、吸収性が良く、肩こりの痛みを和らげるのに効果的です。
また、無臭で湿布特有の臭いを気にする必要がありません。
ところが、吸収性が良いため、妊娠中の人は医師の判断によって使用するか、
妊娠8ヶ月以降の妊婦さんは使わないでください。
妊娠中にジクロフェナク成分の入った湿布を多く貼ることで、ジクロフェナクの血中濃度が上がり、
胎児の心臓に影響が出てしまった、という例もあります。
もちろん出産後も授乳を通して赤ちゃんへ成分の影響がある、ということが考えられますので、
出産後も気をつけるようにしてください。
また、15歳未満の人や喘息持ちの人は使用しないでください。
自分に合った湿布とは?
湿布によって入っている成分が違い、それぞれに少しずつ異なった特徴があることは
わかってもらえたかと思います。
結局どれが一番自分に効くのか、ということですが、万人に必ず効くという湿布はありません。
特徴を頭に入れた上で自分の好みなどで選ぶのが一番良いです。
例えば、新しい成分は少し試しづらいので、昔ながらの成分が入った湿布を使いたい場合は、
サリチル酸メチルの配合された湿布を使うと良いです。
また、湿布に清涼感を求める人はインドメタシン、
妊娠中や授乳中ではなく、喘息もない人は、
無臭で臭いの気にならないジクロフェナクやフェルビナク配合の湿布を使ってみるといいでしょう。
ただ、覚えておきたいのは、湿布は一時的に痛みを和らげることには効果を期待できますが、
根本的な肩こりの解消には至っていません。
湿布の使用だけに頼るのではなく、日ごろから少しでも肩や首まわりの筋肉を動かしたり、
血流を良くする食生活を心がけるなど、他の対処法と合わせて行い、
肩こりの根本的な解消を目指してください。